北野武映画祭solo.9「あの夏、いちばん静かな海。」

2020.05.14 Thursday



※以下、ネタバレ含みます

 

 

『あの夏、一番静かな海』 1991年。3作目。

 

初めて観たのは10代だったかもしれない。

とにかく退屈で途中で居眠りしちゃって、

だから20代になってもう一度ちゃんと観た。

最後まで観てみて、、やっぱり退屈だった。

 

でもなんとなく、また観てみようと思ったのです。

10年以上たっての、再鑑賞。

 

 

 

耳が聴こえないのは、あからさまな説明がなく、

雰囲気で伝わる演出。

いきなり彼女のピュアな笑顔にやられる!

港町のゴミ収集車というのが、妙に合ってる。

 

殆ど会話がなく、手話も最低限

わざとらしいものが全くなくて、

淡々と日々を過ごしている、

特別に大きな起承転結がないのが日常を表していて、

青が多用されている。(キタノブルー)

 

初めて、わざわざ千葉の大会にヒッチもして行き、

名前を呼ばれたのに気づかず棄権とみなされたのも

さらっと終わっちゃう、まるでよくあることのよう。

 

 

その後、2人の誤解と信頼関係の云々も、

全く会話が無いまま、意思疎通して和解する。

シンプルでわかりやすい。

 

サイレントで、ラブシーンにエロさが皆無

なのに深い愛、純愛がとっても伝わる。

サーフィンも楽しそうで、やってみたくなる。

 

 

穏やかな流れになり、

大会で位に入って、みんなで幸せなひととき、

その後、雨の海、

彼女が行くとサーフボードが波打ち際にあった。

死の直接的な表現は、それだけ。

 

彼女はサーフボードを持って、千葉の海へ

(まるで彼女が彼を抱えてるようにも見える)

2人の写真を、丁寧に貼って、海に奉納する。

 

 

そこから、、それまで本編になかった、

回想シーンがどっと始まる!

それまでほぼ台詞がなく

言わないから知らなかった想い出達が

次から次に溢れてくる

大人しい彼女が熱く胸に抱えていた記憶が

つぎづぎ思い出されて、

2人がどんなに幸せだったか、

彼女がどんなに彼を愛していたか痛感する、

 

その演出が、それまでの静とのギャップで

ぐっとおしよせてきて、やばいのです。。

 

 

そしてその、最後の最後に、

ようやく初めてタイトルがスッと出るの。

 

「この夏、一番静かな海。」

 

涙腺崩壊です。。

ずるすぎる、、にくいー

 

というか、涙脆いのは年のせいですか?

過去観たときのわたしは、未熟だったのでしょうか?

めちゃくちゃ滲みる映画でした。

ずるいよー。

たけしも出演しないし、暴力も刺激もない、

寺島進と渡辺哲がちょい役で、

お笑い要素は控えめにちょっとある。

(警官とのやりとりはいらんかった)

 

 

因みに、この作品から、

音楽に久石譲が起用されている。

曲は、その男…でも感じたドビュッシーぽさがある

(その男…はサティぽくしたそうですが…)

通常、音楽が入るような場所に音楽を入れない、

エンドロールも波の音だけ。ちょうど心地よい。

 

というか、3作目で、

北野武、監督企画脚本編集で、これやるかー?!

というのがいちばんの感想。

こんな純愛映画ってさ……泣

 

あの淀川長治さんが、

「日本の映画の歴史の中でね、一番言いたいくらい好き」

と言った話も、納得です。

日本映画でりながら日本ぽくない作りに思いました。

 

 

ただ、わかりやすくもあるけど、伝わらない人もいると思う。

わたしもこの年になってみて、ようやく観れたから。

 

フルで落ちてたのでもし興味がある方は。。

 




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    category:cinema/books | by:りふ
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